早く飲めば花粉の症状の重症化を防ぐ
「言うの遅いよ」
画面の向こうでそのように指摘をする声が聞こえてきます。
わたしは数年前から花粉症を発症し、早く飲めば花粉の症状の重症化を防ぐと知り、毎年2月15日に飲み始め、2月後半の飛散時期に合わせています。
ですが
女性の心とスギの心は大人になってもわからないものですね。
さて、本日は花粉の症状の重症化を防ぐことが出来る考え方を紹介します(カタカナが多いです)
花粉症のお薬の従来の考え方は、アンタゴニストとしての効果を期待しておりました。
アンタゴニストとは、ヒスタミンが、H1受容体に結合すると、H1受容体が活性化されアレルギー性鼻炎(花粉症の症状)を発現させるシグナル伝達が行われます。
このヒスタミンのように、受容体に結合して反応を引き起こす物質のことを「作動薬」つまり、アゴニストと呼んでいます。
抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンがH1受容体と結合するのを先回りして阻止するだけの働きを持つ「けっ抗薬」アンタゴニストと考えられてきました。
つまり、H1受容体はヒスタミンが結合しなければ、活性化しないと考えられていました。
しかし、最近になって新たに加わった考え方があります。
それがインバースアゴニストとしての効果です。
H1受容体は、花粉などに暴露され続けると、増加することが知られており、ヒスタミンが存在しないにもかかわらず、シグナルが出されることがわかってきました。
これが「構成的活性状態」と呼ばれる状態です。
この構成的活性状態にあるH1受容体にヒスタミンが結合すると、さらに強いシグナルが出され、症状が強まります。
花粉が少量飛び始める時期に症状が強く出る過敏な状況や、シーズン中の症状を悪化させる要因の一つとも考えられています。
一方、構成的活性状態のH1受容体に抗ヒスタミン薬が結合することで、H1受容体は不活性な状態となり、シグナル伝達を抑制することが明らかとなりました。
この働きから、抗ヒスタミン薬は「逆作動薬」つまり「インバースアゴニスト」とも呼ばれています。
このような理由で、花粉が飛ぶ前より抗ヒスタミン薬を投与する「初期治療」がよく行われています。
花粉などの季節性アレルギー性鼻炎には抗アレルギー薬を早期継続使用することで、シーズン中の症状を軽くすることにつながります。
東北大学 医学博士 谷内一彦先生から引用