聴覚障害者に対する情報保障とは何か
情報保障とは
身体的なハンディキャップを抱えていると、それを抱えていない方に比べ情報を取り入れる量が少なくなることがある。
その方々に対し、代替手段を用いて情報を提供することを情報保障という。
身体的なハンディキャップというと視覚障害・聴覚障害・肢体障害等をいう。
わたしが今回書き出すのは聴覚障害についての情報保障だ。
※聴覚障害がない人のことを以下「聴者」という
※聴覚障害がある人のことを以下「ろう・難聴者」という
聴者は視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感を使って様々な情報を取り入れる。
ろう・難聴者は五感の中の聴覚機能がうまく働かないため、聴覚を使って取り入れる情報が聴者より比べ少ない。
聴者が情報を耳で取り入れる手段を、ろう・難聴者は代替手段を用いて情報を取り入れる。
情報保障の例
「ノートテイク」
ノートテイクとは音声情報をノートに書きだして伝えること
1分間に60~70文字程度の書き取りが可能
「パソコンノートテイク」
1分間に100~200文字程度の入力が可能
「音声認識ソフト」
アプリなどを使用し音声情報を文字に変換する
少人数ではなく大人数で使用する場合は同時復唱者や同時修正者を使用し、誤字率を低下させる。
「手話通訳」
手話通訳とは、音声情報を手話に変換して伝えること
ノートテイク等よりも多くの情報を伝えることができる。
「補聴器」
音声振動を補聴器で増幅させ、補聴器使用者に音声情報を伝える。
「TV等の字幕」
流れてくる映像に音声が含まれている場合、音声情報に合わせた文字情報を同時に放送すること。
「TV等の手話通訳による解説」
流れてくる映像に音声が含まれている場合、音声情報に合わせた手話通訳を同時に放送すること。
「FM補聴器」
FM補聴器はイヤホンとマイクがセットになっている。マイクに入った音声情報をFM電波でイヤホンへ飛ばしFM補聴器を使用者に音声情報を伝える。
補聴器にくらべ声がはっきりと届く、雑音も少ないという利点。
「電車など交通機関の電光掲示板」
ホーム放送などの音声情報を、大型の電光掲示板へ文字情報に変換し映し出す。
「遠隔手話通訳」
TV電話などを使用し、音声情報を遠隔地にいる手話通訳者へ送信し、手話通訳を行うことにより情報を得る。
ろう者の先生と話をしてこのような情報保障もあった。
美術館や博物館にいくと聴者にはヘッドフォンが貸し出され、音声の説明を聞きながら展示物を楽しむ。
ヘッドフォンが使えないろう・難聴者の情報保障はというと
「説明の入った紙を渡される」
だそうだ。
それ以外方法はないと思うのだが、なにか味気ないという。
ほかにもこのような情報保障があった。
遊園地へ遊びに行った時のこと、映画のような大型スクリーンでストーリーを鑑賞するアトラクションがあった。
そこで字幕の有無を確認したが字幕はないという。しかし、情報保障がありますと胸を張って言われ用意されたものが
「台本」
厚さ3cm程度の台本である。なかにはすべてのセリフが書いてあった。
読むの大変だなと思ったが、仕方ないと思い開演まで待つ。
さあ始まる
会場消灯
台本。見えない。
というように様々な情報保障がある。情報保障の善し悪しは改善を行えばよい。その情報保障に取り組む姿勢がろうの先生はうれしいのだという。